多彩な書技で新風吹き込む 「第3回翠書展」9月21日まで 東京・小津ギャラリー

個性的で多彩な作品が並ぶ第3回翠書展=9月17日、東京・日本橋の小津ギャラリー(川浪惇史撮影)

「第3回翠書展」(産経新聞社後援)が9月21日まで東京・日本橋の小津ギャラリーで開催中だ。

同展は宗像翠龍さん(産経国際書会評議員、日本書蒼院副理事長)が主宰する翠龍書塾(東京上野教室)の展覧会。

翠龍さんは、金文の「閑不徹」、「鬼燈」、隷書の「飛龍在天」などの書、漆黒の中に龍の浮きあがる「龍図」、「ほおずき」、「慧眼蛙」などの墨絵を出陳し、多彩な書技を披露している。この人は福島県郡山市の出身で、書を故平原春嶺(福島県書作家連盟会長)に師事。現在は独自に書、画、篆刻の普及に邁進している。

同じく評議員の本山玲翠さんは、「ゲーテの詩」で「VENEZIA」と横に大書し、上にベネチアを詠った詩文を配して現代書に新風を吹き込む。昨年の第40回産経国際書展で会長賞を受賞した「櫻月夜」も出品され、柔らかな線が抒情を誘う。

近年は墨象作品にも挑戦し、「凛然」、「流転」など心象を切り取った作品も面白い。玲翠さんは、書を故大溪洗耳に師事し、東京書作展では内閣総理大臣賞(2000年)を受賞している。

会員作品は、漢字各体、詩文書、墨絵と個性的で多彩な作品が並ぶ。楽しみながら書にいそしみ、そこから質の高い作品を目指す個性ある作家が育つのであろう。見る側も大いに愉しめる展観であった。

午前11時から午後6時、最終日は午後4時まで。(川浪惇史)

「産経国際書会」WEBサイト

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