「審査中の原発9基が心残り」 原子力規制委を退任の石渡明氏が会見

退任の記者会見をする石渡明氏(右)と田中知氏=18日午後、東京都港区

原子力規制委員会を任期満了で退任する石渡明委員が18日、記者会見し「10年間、毎週のように審査会合を開いてきた。審査中の原発9基を残してバトンタッチすることになったのは心残りだ」と振り返った。石渡氏は平成26年9月に就任、地震や津波対策を担当した。

原子炉建屋直下の活断層問題で、初の審査不合格が確実となっている日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)については、原発推進側から「活断層がないと証明するのは悪魔の証明だ」と批判された。石渡氏は「既に12基の原発が、その証明をして再稼働している。たいした悪魔ではない。恣意的な審査はしていない」と反論した。

岸田政権の原発推進策を受け、60年を超える原発運転を可能にする新制度導入が昨年2月に規制委で諮られた際には、5人の委員で唯一反対した。「意見が通らなかったのは残念だが、あの時の考えから一切変わっていない」と述べた。後任は山岡耕春氏。

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