福島第1原発のデブリ採取また中断 カメラが故障、遠隔操作できず

東京電力の福島第1原発2号機=8月

東京電力は17日、福島第1原発事故で溶け落ちた燃料(デブリ)の回収装置に取り付けた2台のカメラが故障し、同日予定していた遠隔操作でデブリをつかむ作業を中断したと発表した。デブリの試験採取を巡っては、準備段階で作業ミスが見つかり、8月22日に開始予定だった作業が約3週間遅れるなどトラブルが相次いでいる。

東電によると17日午前6時ごろ、2号機原子炉格納容器に挿入した回収装置のカメラに不具合が生じ、遠隔操作室のモニターに映像が伝送されなくなった。カメラは4台取り付けられており、このうち先端部の2台が何らかの原因で故障した可能性がある。復旧の見通しや作業の再開時期などは決まっていない。

東電は14日以降、装置の動作確認などを実施。14日は装置の先端部がデブリと接触したことを確認した。15日もカメラが正常に作動し、映像が伝送されていることを確かめていたという。東電の担当者は「(故障の)原因は不明。カメラが復旧しなければ、デブリをつかむ作業はできない」としている。

計画では、格納容器の側面にある貫通部に「テレスコ式」と呼ばれる釣りざお状の回収装置を挿入。装置の先端に取り付けた爪形の金属器具を釣り糸のように垂らし、約4メートル下の底部に堆積した3グラム以下のデブリをつかんで回収する。

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