政府が来年4月に開幕する2025年大阪・関西万博の目玉として展示を行う世界最大級の「火星の石」は、「ご神体」と呼ばれて保管する国立極地研究所により厳重管理されており、外部展示は初めてだ。万博では、開催中に火星圏に到着する無人探査機が捉えた精細な中継映像を会場で映し出す目玉企画が頓挫しており、注目を集めるための苦しい代替策とも言えそうだ。
極地研によると、火星の石は約1000万年前に火星を飛び出し、数万年前に地球へ到達した隕石だと推定される。現存する火星隕石は数十グラム程度のものが多いが、約13キロと世界最大級で、保存状態も良好だという。さびや風化を防ぐために温度や湿度の管理が必要。これまで研究者以外が見る機会はほとんどなかったが、厳重な管理を条件に展示に合意した。
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